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日記
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リュックベッソン監督は、映画を10本撮ったら引退すると言っていました。
そして、今作がその10本目。
「アーサーとミニモイの不思議な国」です。

映画のパンフなどを見たときから、子供向けの映画なのでは、と思っていました。
まあ、もちろんメインのターゲットは子供なのかもしれませんが、大人も見て楽しめるような内容でした。

ただ、リュックベッソンといえば、アンジェラだとか、レオンが思いつく私としては、物足りない感じも……
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無題
「千葉さんは今、何をしているんですか?」
「探偵の真似事みたいよ。別れた妻と娘を探してほしいって依頼だったはず」
あまり興味がないから、正確には覚えてないのよ。だって、別れたって言っても死に別れたわけじゃないんだもの。生きてるのよ。だから、あまり興味がないのね。それなのに、あいつときたら、今日は親子の現在の住所がわかったなんて、誇らしげに言ったりするのよ。私は、そんなのどうでもいいのに。そういえば、あんたも、なんかやっているんだっけ?」
タバコを机の上に置き、初めて興味が沸いたかのように僕の顔を見る。
「ええ。ストーカーの調査なんかをやってますよ」
「なんだ、ストーカー……あまり面白そうじゃないわね。誰も死んでないし」
「僕が頼まれることなんて、そんなもんですよ。大体、高校生の僕に死体がらみの事件の依頼なんて来るわけないじゃないですか」
「まあ……それもそうね」
千代田さんは、大きくため息をつき、早く誰か死なないかしら、と呟いた。

「何をやっているんですか?」
僕が事務所のドアを開けると、まず目に飛び込んできたのは千代田さんだ。
自分のデスクで、タバコにライターで火をつけていた。
「見てわかるでしょう。タバコを消しているのよ」
手品の話をしているのではない。
不思議なことだが、千代田さんがライターで火をつけたものは、まるでそれがはじめから存在していなかったかのように消失する。何かを燃やした後、その存在を主張するように残る灰ですら、消えてしまう。
灰皿の上には、ひとかけらの灰さえ見つけることはできない。
すべて、千代田さんが消してしまったからだ。
「私、タバコの存在が許せないのよね。よくいうじゃない。すっているほうより、近くにいる人間が吸わされている煙のほうががんになる確率が高いとか何とか……だから、私がこうやって人間にとって害にしかならないタバコを消してやっているっていうわけよ。私が燃やせば、温暖化にだってならない」
千代田さんは得意げに言う。
「でも、このタバコはどうしたんですか?買ってきたんじゃないんですか?いくら千代田さんがタバコを消しても、その、消すタバコを買ってきちゃったらタバコを作る会社側は、うちで作るタバコは売れるって思っちゃうじゃないですか。だから、タバコはなくならないってことになりませんか?」
前にもこんな話をしたような気がする。
「ところで、千葉さんはどうしたんですか?」
「仕事よ。依頼が入ったもの」

「それで、そのストーカーの目星はついたの?」
「元彼が怪しんじゃないかって思うんですよ。彼女に一方的に振られてますから。それで、どうして自分が振られたのか、他に好きな男でもできたんじゃないのかって思うあまり、彼女のあとをつけてしまったんじゃないか、とか」
「ただ、ストーカーは誰がなってもおかしくはないでしょ?たまに挨拶をする程度の人間がストーカーに・・・・・・なんてことも珍しくない」
千代田さんは、首をかしげる。
「その元彼は何で振られたのよ」
「いや、それが理由がわからないんですよ」
「わからないってどういうこと?」
「調べられなかったんです。彼女に聞いてみても、彼氏・・・・・・高志って言うんですけど、高志は関係ないの一点張りで教えてもらえなかったし・・・・・・その上、誰に聞いても、二人が別れた理由がわからないって言うんですよ。だから、とりあえず、高志に明日、話を聞いてみようかと思うんです」
「何て聞くの?どうして、彼女に振られたんですかって?見ず知らずの人間にそんなことを急に聞かれて実は……なんていう男がいるとは思えないけどね。そんな簡単に口を割る相手だったら、ちょっと調べれば簡単に振られた理由を調べられそうなものじゃない」
「まあ、そうなんですけどね。これで何もつかめないようなら、彼女の周りを四六時中見張ってストーカーがやってくるのを待つことになります」
「賭けをしない?」
「なんについて賭けるんですか?」
「高志が、振られた理由を話すかどうかについてよ。当然、私は話さないほうに賭けるわ」
「賭けるってお金をですか?」
「他に何を賭けるって言うのよ」
「いや……やめときます」
千代田さんは、金に汚い。その千代田さんが、金を賭けるということは、必ず回収する見込みがあると確信しているからだ。
これは、話を聞きにいく前から、悪い予感がしてきたな。
そう思った。
1 2008/02/13(Wed)17:23: 編集
無題
タバコが落ちているのはよく見かける。
軍手が落ちているのも見つけたことがある。
ただ、メガネが落ちているのはこれまで一度も見たことがなかった。
なぜめがねを落ちているのか。
それが気になった。
めがねを落としたら、その人は一体どうするんだろう?どうやって帰るのだろう?
メガネをかけている自分としては、めがねがなくなったときの不便さは痛いほどわかる。
めがねをなくしてきっと困っているだろうな。
せめて交番に届けてやろう。
僕は、落ちているめがねを拾った。

メガネを手に取ると、どうしてもしてしまうのが、そのめがねのどの強さだ。自分のかけているメガネと比べて、どの程度、度が強いのか比べてみたくなる。
2 2008/02/14(Thu)18:41: 編集
無題
「何で俺が、あいつのあとをつけなくちゃならないんだよ」
「田中さんに振られたからじゃないの?」
「確かにそうだけど、だからってそこまでやることじゃないだろう」
「本当に?」
「何だよ、疑っているのか?」
「だって、あっさりしすぎてない?振られたんじゃないの?田中さんのことをまったくうらみに思っていなかったの?」
「いや、そういうわけじゃないけど……ただ、なんとなくそうなるんじゃないかとは思ってはいたんだ。誕生日の前からどことなくあいつの態度がよそよそしかった。だから、もう終わりかもなあって気はしてた」

「田中さんの誕生日って?」
「11月24日だよ」
ストーカの準備期間に触れる。
しかし、高志が嘘をついているとも思えない。
3 2008/02/21(Thu)17:08: 編集
無題
高志と別れてしばらくして、田中から電話がかかってきた。
「高志じゃない」
彼女はそういった。
「もしかして・・・・・・」
電話の向こうの田中が息を飲んだのがわかった。
「シャッターの音が聞こえた。シャッターの音が聞こえたのよ」
平静を装うことができなくなった、田中の声は次第に甲高いそれに変わっていった。

彼女しか聞いたことのないシャッター音。
もし、僕が彼女を撮った写真を見ていなければ彼女の被害妄想だと断じただろう。けれど、写真がある。一人では撮れない写真。協力者などいるはずもない。
誰だかわからない人間が、田中の周りをうろついている。

田中と一緒に帰ることになった。
しかし、誰も見つからない。
田中は憔悴しているようだった。
ストーカーが見つかるまではあまり外を出歩かないほうがいいんじゃないかな?
僕は、田中をつけている人物を見つけるため、張り込みをはじめた。
田中に取られた写真を借りる。それを使い、僕はどのあたりで写真を取られているのか割り出そうとしたのだ。そのあたりを張っていれば、誰か怪しい人間が見つかるかもしれない。そう思ったのだ。

そこで浮かんできたのが、一人の男だった。ただ、その男はカメラを持ち歩いているわけではなかった。携帯電話を使ったのかもしれない。

その男の後をつけていくと竹橋に出会う。
竹橋は依頼を受けていた。その依頼は、離婚した母娘の現在の場所を探してほしいというものだった。
写真を撮っていたのは竹橋だった。
娘のことを思わない親はいない。
証拠は通帳にあった。

2008/02/21(Thu)17:45: 編集
無題
「簡単に確かめられる方法がある」
竹橋は言った。その手には携帯電話が握られている。
すでに番号を押した跡らしい。
見たことのない電話番号が液晶のディスプレイに表示されている。
竹橋が発信ボタンを押した。
呼び出し音の後、誰かが電話に出た。
機械的な女性の声だ。彼女は銀行の名前を告げる。
銀行の残高照会ダイヤルだ。
どこにつながったのか、僕が理解したのを悟ると竹橋は銀行の預金通帳を僕に手渡した。
女性のガイダンスに従って、僕は番号を押す。残高照会、銀行の支店番号、普通預金、そして口座番号……
ここまでは問題がない。
しかし、一番大事なことがある。
それは暗証番号だ。
当然のことながら、暗証番号は通帳に書かれていない。
「4桁の暗証番号を入力してください」
機械的な彼女の声は、僕の罪を告発しているように思えた。どことなく冷たい。
通帳のページをめくるが、そんな都合よく4桁の数字など見つけることができない。どうしたら、いいのだろう。実際に止まっていた時間は、わずか数秒であったはずなのに、それがとてつもなく長い時間のように思えた。
「1118」
竹橋がそう言った。
1118。
僕は、その数字の真偽を確かめることもせず、後ろめたいことから逃げるように、番号を押した。
すべての番号の入力が終わると、機械的な女性が、現在の預金残高を告げる。
機械的な彼女は、銀行勤めのためか、僕が見たこともないような桁数字の預金でも、なんでもないことのようにすらすらと述べた。
機械的な彼女が、「もう一度聞きますか?」とたずねてきたが、僕は電話を切った。
「それが理由だよ」
竹橋が言った。
「どうして、竹橋さんが暗証番号を知っているんですか?」
「1118。この数字に聞き覚えはないか?」
首をかしげる。どこかで聞いた数字のような気がした。しかし、思い出せない。
「1118は、11月18日。田中京子の誕生日だ」
なるほど。僕は、高志との会話を思い出す。どこかで聞いたことがあった1118という数字は、彼から聞いたのだ。
「暗証番号に、娘の誕生日を選んだ。それは、娘のことを忘れたくないから……という意味にはならないか?少なくとも、娘のことを忘れていたというわけではない、だろ?」
竹橋は、僕から受け取った携帯電話をしまった。
「まあ、それはわかりました。でも、それならどうして今渡さないんですか?」
「お前わかってないなあ。今、金を娘に渡したって、娘が自由に使える金がどれだけあると思う?どうせ、あの強欲な母親に根こそぎ持っていかれるに決まっているだろ?だから、ただ金をやるだけじゃだめなんだ。娘が自由に使える金を、渡す。父親はそう考えた」
「どうするんですか?」
「失踪だよ」
「失踪?ほっといたって癌で死ぬ人がどうして失踪なんですか?」
「どうして、娘に入る金が、母親に使われると思う?それは娘が未成年だからだ。20才を過ぎれば、自由に使うことができる。だから、失踪なんだよ。いいか。失踪した場合、七年が経過すると死亡と認定される。七年後、25歳になった田中京子に父親からの遺産が与えられる。母親の関与なく自由に使える金だ」
「でも、それなら遺言で20才の誕生日でもいいじゃないですか?」
「それは、父親の話から想像するしかないな。母親は、何歳のときに父親と結婚したのか?25歳だ。彼はこう言った。結婚したものの、私は家計を支えるために身を粉にして働いた、と。今にして思えば、それが、妻から見れば家庭に無関心な夫として映ったのかもしれない」
「彼からすれば、金があれば離婚することもなかったと思っているんだろう。離婚して家庭を台無しにしたのも、すべては自分のせい。自分に金のないせい。だから、彼は25歳になった娘に金をやるんだ。母親と同じような苦労は娘にさせたくないからだ」
「ただ、俺から言わせれば、金があっても多分離婚はしてた。あの奥さんは浮気性だった。あの人は、なんでも自分のせいにしたんじゃないかって気がする。金がなくて生活が苦しいから別れたんじゃない。相性が悪かったから別れたんだ。多分、それだけのことだと思うけどな。それで、悲しいことにそれは娘も同じ。あれは、間違いなく気性まで母親のコピーだよ。で、それに気づかないのか、気づきたくないのか最後までわからなかったけど、とにかく父親のほうは金があれば娘を救えると思ってる。娘の助けになると思ってる。でも、そうじゃない。金があれば助かるだろうけど、それで父親に感謝をするとは限らない」
「ずいぶん、否定的なんですね」

5 2008/02/28(Thu)18:06: 編集
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